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起業時の留意点

起業時の留意点をまとめました
弊所に依頼される方、依頼されない方もじっくり検討ください。
税務書類を一枚提出するか否か、開業時の選択で税金が大きく変わります。
お得な処理をするのも、損な処理をするのもご自身の選択の結果になるので、じっくり選択するのが良いです。

収支予測に注意!!

事業を開始される前、皆さん事業計画を立案していると思います。
「この事業ならこのくらいお客がくるだろうから、お客がたくさん入れる賃貸店舗を借りないとけいないよね」などと考えていませんか??

最初から赤字になると思って事業を開始する方はほとんどいませんので、そう考えるのが正常だと思います。
しかし、事業というものは、当たりそうでも当たらないことも多いし、意外な事業が莫大な収益を生むこともあります。

立地、時代への適応度、顧客ターゲット、経営努力などの僅かな違いで収支は大きく違ってきます。
やってみないと、儲かるかどうかは実は分からないのです。

ただ、初年度から法人成を考えないといけないほど黒字になる事業主様は、そんなに多くはおられません。

初年度は赤字になる可能性が高いことを覚悟して、事業を開始ください。 初年度は、備品類などの些細な経費の積み重ねにより、それなりの出費になるのが一般的です。

最初は、赤字なのが当たり前、経費はなるべく抑える方向で考えましょう。大きな事務所とかの賃料はお客が付きだしてから検討しても十分間に合います!!

経費となるもの、ならないもの

事業を始められた方の多くが、最初に直面される経営課題は、帳簿の記帳になります。
帳簿を付ける前に、まず売上と経費になる証憑(レシートや請求書)を集めるところから始めます。 この時、売上の証憑は迷う事がないのですが、経費のレシートなどを見て、「あれっ、これは経費になるのかな〜?」が頻繁に出てきます。

経費になるかならないかの判断は、専門的な判断も要るのですが、事業をする上で必要だった費用は全て経費となると思ってください。思った以上に、経費となるものは多いのです。
そうは言っても、経費になるかの判断は難しいですし、知識も無くやたらめったら経費にしていると下記「脱税」扱いされてしまうおそれもあります。

その為、事業を始められたばかりのお客様に必ずお伝えしていることがあります。
それは、「買い物をした際のレシートは全て保管しておいてください。そして、ある程度溜まったら全部持ってきて、経費になるか一緒に見ていきましょう!!」です。

個人事業スタートと法人スタート どっちが有利

起業される際、法人形態と個人事業主形態か迷われることがあります。

お客様が起業される業種にもよりますが、開業から数年は赤字が一般的です。
赤字の場合、個人事業主形態だと税金は掛からないのですが、法人形態だと最低7万円程度税金が掛かるうえ、税理士コストも法人形態の方が高いのが一般的です。

所得が低く、事業所得が安定しない開業当初は個人事業形態の方が実は税金が掛からない事が多いです。
法人の方が信用力もあったりするので、税務コストだけで判断すべきではないですが、開業当初は資金繰りも苦しいので、個人事業主形態で開業が望ましいです。
法人化するタイミングは、慎重に会計事務所と相談して決めていくのが一般的です。

青色事業者と白色事業者 どっちが有利

事業を行うのに、法人でも個人事業主でも「青色事業者」か「白色事業者」かを選択します。
簡単に違いを言うと、青色事業者には義務と権利の両方があり、白色事業者には青色事業者と同じ義務のみがあります。

昔は、白色事業者には義務(帳簿の記帳・保存義務)はなかったので、いろいろな意味で白色事業者を選択する事業者は多かったのです。
しかし、今の税法では、白色事業者には一切のメリットが無いのが実情です。
事業をされる方は必ず、青色事業者の届出を行った方が有利です。

青色事業者の権利(得点)を簡単に紹介すると、青色特別控除(所得から65万円差し引いてくれます)、青色専従者給与(家族従業員への給与が認められます)などがあります。

法人設立の方法

法人設立するには、まず定款の作成を行う必要があります。
この定款というのは、会社のルールであったり、どんな事業をするかであったりを明文化した書類です。

定款が出来たら、今度はそれを公証役場で認証してもらいます。
定款の認証を特定の行政書士などに依頼するとご自身で認証手続きをされるより安く出来ます(弊所に依頼された場合も、提携の行政書士さんが安くしてくれます)。

その後、事業の元手となる資本金を発起人の銀行講座に振込ます。
1人で会社を設立される場合でも、自分の通帳に自分名義で振込むので、意味あるの?と質問を受けますが…必要な行為になります。
振込後、資本払込証明書等必要書類の作成を行います。
定款及び資本金払込証明書などを添付して、法務局に登記申請書を提出して設立登記は完了です。

会社設立後、税務署、都道府県、市町村に開業に関する資料(開業届、定款の写し等)を提出して開業関係の手続きは全て終了です。

会計士・税理士(以下、会計士等)をいつから付けるべき

会計士等をいつから付けるべきかを考える場合、費用対効果を考えられるお客様は多いと思います。
会社の成長度合いにより、一概にどの時期が有利になるのかは難しいですが、会計士等を付けられていない方の多くが税金で損をしてしまっているのが現状です。

それでは、考え方を変えて、会計士等が一番活躍出来る時期に会計士等を付けるべきと考えてみましょう。
会計士等が一番活躍出来る時期というのは、お客様の開業直後と言っても言い過ぎではありません。

お客様が大きくなろうとすると、会計士等の活躍する機会が多くなり、お客様の成長が止まると、会計士等の活躍する機会はほとんどなくなります。
せっかく顧問料を払われるので、会計士等には仕事をさせる時期に依頼した方がお得だと思います。

会計士等の選び方

会計士等は、サービス業ですので、相性が合わなければ変更するのも問題ありません。
ただ、一度顧問契約を行うとなかなか変更するのは難しいのも事実ですので、最初の会計士等はじっくり選ばれる方が良いです。
正直なところ、顧問契約をするまで会計士等の良し悪しは分かりにくいのですが、税務業務をやっていく中で、個人的に判断しやすいと思うポイントを3点ほど紹介いたします。

まず、第1ポイントは、会計士・税理士の年齢になります。
一番理想的なのは、お客様と会計士・税理士が同年代であること。若しくは、お客様より会計士・税理士が年齢が若いこと。
考えてみてください、自分が経営上簡単な悩みを抱いたとします。この時、自分よりも遥かに年齢の上の重鎮の会計士・税理士に気軽に相談出来るでしょうか?
そもそも、10年前が昔話の様も感じるこのご時世に、何十年前に開業された会計士等が最近の開業事情を理解するのは困難なことなのです。
また、ご自身の事業が軌道に乗ってきた時に、会計士・税理士の方がリタイヤする世代になっていたら、再度探しなおさないといけません。
会計士・税理士に一番求めるべき要素は、困った時にいつでも相談出来る相手であり、何十年も共に歩いていける相手だと思います。

第2ポイントは、会計事務所の従業員が頻繁に辞める事務所は危険な事務所になります。
従業員が頻繁に入れ替わっていると、税務のスキルがほとんど無い従業員ばかりの可能性が高いです。
また、担当者が頻繁に変わりますので、お客様の事業を理解していない担当者ばかりを相手にしないといけなくなる可能性が高いです。
依頼したい事務所のホームページに従業員リストがある場合もありますので、従業員がしょっちゅう入れ替わっているか判断出来る場合があります。

第3ポイントは、会計事務所がメインで使用している会計ソフトになります。
会計ソフトは、数多くありますが、単純な分け方で2種類に分類出来ます。

1つが市販の会計ソフト(弥生会計、会計王、勘定奉行など)を使用している事務所で、もう1つが会計事務所専用のソフト(TKC、JDLなど)を使用している事務所になります。
市販の会計ソフトを利用している事務所は、お客様にも市販の安価なソフトを勧めますが、会計事務所専用のソフトを利用している事務所はお客様へも高いソフト使用料を直接又は間接的に負担させています。

会計事務所専用ソフトは、会計事務所にとっては使い易い会計ソフトなのですが、お客様サイドからすると実は使いにくいソフトが多いのが実情です。
お客様の利便性を優先する事務所と会計士・税理士自身の利便性を重視する事務所、どちらに頼みたいか…
どこの会計事務所でも、使用する会計ソフトを聞けばいつでも教えてくれますので、まず聞いてみましょう。

脱税と節税の違い

脱税と節税は、似た様に見えますが、根本的に違います。それでは、どう違うのでしょうか。
簡単に違いを簡単に説明します。

脱税とは法的に認められない会計処理を行い、所得をごまかすことを指し、節税とは法的に認められた範囲で所得を抑える会計処理を行うことを指します。
もちろん、節税は合法的な方法であっても無理やり経費を大きくしたりするのですから、税務署に認められないことも多々あります。

税務署に認められないのなら、脱税も節税も同じではないかと思われるかもしれませんが、税務署に認められなかった場合のペナルティが全然違うことになります。

節税した処理が税務署に認められなかった場合は、あくまでも法的には認められている処理なので、よく聞く「税務署との見解の相違」になります。
見解の相違なので、軽いペナルティのみで済みます。税務署が計算した追加税金に過少申告加算税(追加税金の10%)と延滞税(1年分の利息が上限)が付されるだけになります。
これだけ見ると、節税が認められなかった場合でも相当なペナルティに感じますよね。

ところが、脱税処理はが税務署に見つかった場合のペナルティはもっととんでもないです。
脱税処理は、悪質な処理であると判断され、税務署が計算した追加税額に重加算税(追加税額の40%)が上乗せされます。
さらに延滞税も上限がありません。税務調査で、過年度分から脱税と判断された場合、数年分の利息が上乗せされます。

会計事務所は、節税の提案を行うことはありますが、脱税指南は絶対に行いません。
脱税によるペナルティが大きすぎて、お客様の事業継続すら不能になることが目に見えているばかりでなく、お客様の取引先まで反面調査される恐れがあるからです。

コンサルに注意ください!!

新規事業を始める際に、知識を得ようとしてその業種のコンサルを得ようとする考え方をされる方が結構おられます。

業務のノウハウを簡単に知れるので、この考え方自体は全然問題ではありませんし、寧ろ賢いやり方だと思います。


ただ、留意いただかないといけない点が2点あります。1点目は、コンサルさんの質であり、2点目はコンサルをどの程度信じるかです

1点目のコンサルの質ですが、弊所の感覚で言うと、コンサル料金とコンサルさんの質は全く比例しないということです。

むしろ、高額な料金のコンサルの方が詐欺紛いの方が非常に多く、低価格なコンサルは良心的なところが多い傾向があるように感じます。


2点目のコンサルをどの程度信じるかですが、こちらも当たり前ながらコンサルさんも人間ですので、間違いはそれなりにあるし、知識不足もあるのが当たり前です

コンサルに詐欺の様に騙されている(?)方の特徴として、コンサルを神様の様に信じ切っている方が多いのです

コンサルの言う事が正しいのかを実践を通して判断し、ダメなら即撤退する判断をするのも経営者として必要な能力だと思います。

皆さまが思われている以上に、悪質コンサルによる被害は多いのです。もちろん、良心的なコンサルもおられますので、しっかり選べばコンサルとの良いお付き合いで、ビジネス拡大可能です。

会計士の呼称が表すもの

中小企業の経営者の方や経理の方とお話をしていると頻繁に出てくる「会計士さん」と言う言葉。

「うちに来ている会計士さんがどうたらこうたら・・・」
「税理士事務所の担当者の会計士さんが・・・」など

こういう話で出てくる「会計士さん」は、会計事務所の無資格の従業員の方を意味している場合がほとんどです。
「会計の仕事に従事しているから、会計さん」⇒「会計士さん」と呼ばれる様になっていったのかもしれないです。

会計事務所関係者は、通常4区分の人間に区分されます。

所長・・・公認会計士兼税理士(会計業界最上級資格) 又は 通常の税理士(各事務所1名)
有資格従業員・・・公認会計士・税理士 又は通常の税理士(独立前の極々短期だけに修行の為に勤務⇒業界的にも非常に少ない)
無資格従業員・・・税法勉強中の従業員(会計事務所の大半を占めます。)
事務員・・・税務とは関係の無い、事務作業をしています。

本来、「会計士」の呼称は、会計事務所でも僅かにしか存在しない、「公認会計士兼税理士」を意味します。
例えば、私が所属する支部に税理士事務所はおよそ180くらいありますが、公認会計士兼税理士は10名に満たない。
公認会計士の資格は、弁護士・医師と並ぶ日本最難関国家試験と言われています。

会計事務所関係者のうち、本来最上級の「公認会計士・税理士」の呼称を、見習い中の無資格従業員に使うと 使われた無資格従業員の方が恥ずかしい思いをするので、ご配慮いただきますようお願いいたします。

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